NHK特集「世界が読む村上春樹」の感想

年末にEテレでやってた
世界が読む村上春樹 〜境界を越える文学〜 」っていう番組の録画を見た。

思ってたより面白かったので簡単にメモ。
海外で村上春樹がどう受けいられているのかという内容の番組。

三島、川端、谷崎、村上

海外で日本文学というと三島、川端、谷崎あたりを学ぶ。
とっつきにくいので、それほど読まれない。
村上春樹は一般の人が普通に読んでいる。

台湾で人気

村上春樹は、特に台湾で人気。
日本で出版後、すぐに台湾でも発売される。

ノルウェイの森が大ヒット。
台湾には「ノルウェイの森」という名前のホテルやカフェがたくさんある。

台湾では、村上春樹の本が広まって
初めて自宅でパスタやチーズケーキを食べるようになった。
それまでは自宅でパスタやチーズケーキを食べる人はいなかった。

森高羊低

アジアでは「ノルウェイの森」が人気。
ヨーロッパでは「羊をめぐる冒険」が人気。

ヨーロッパではファンタジー系の作品が好まれている。
ノルウェイの森」はヨーロッパではあまり人気がない。

村上作品には「ノルウェイの森」のようなリアリズム系の作品と、
羊をめぐる冒険」のようなファンタジー系の作品の2系統がある。

アジアでは森高羊低。
ヨーロッパでは羊高森低。

ヨーロッパ(フランスだけ?)の村上春樹ファンはジブリ作品好きが多い。

ドーナツの話。禅の思考。

羊をめぐる冒険」の下の文章が紹介されてた。

ドーナツの穴を空白として捉えるか、
あるいは存在として捉えるかは
あくまで形而上的な問題であって、
それでドーナツの味が少しなりとも変わるわけではないのだ。

村上春樹はドーナツという西洋の食べ物を題材にして、
東洋的な思想を表現している。

アジアでは西洋的な視点が評価され、
ヨーロッパでは東洋的な視点が評価されている。

村上春樹は西洋と東洋の両方の視点を(おそらく意図的に)持たせている。

感想

村上春樹が世界でちゃんと受けいられれていて嬉しかった。
10代から20代前半で読むといい。きっと何かのためになる。

台湾の学生がカフェで読みながら、気に入った文章を書き写しているのが印象的。